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【生 産】
1.青森県でながいもが作り始められたのはいつですか。
→青森県でのながいも栽培の歴史は、藩政時代であるとされているが、はっきりと
した年号までは分かっていません。
南部藩主によって、特別の保護奨励のもと、いも庄屋がおかれ、江戸幕府の御用
いもとして献上したとの記録があります。
当時のいもは、山野に自生するやまのいも(自然薯)に似て細長いものであった
ものを、明治の初めころから現在の南部町の先人が、仙台や静岡方面から在来種
より形状が良いものを見つけて栽培し、広まっていったといわれています。
2.10アール当たり何本取れますか。
→うね幅(横)110cmから120cm、株間(縦)21cmから24cmですので、
約4,000本位となります。
最近では、Lクラス(1本当たり600gから800g)のいもを取るために、
株間18cmとして、5,000本以上を植えている人もあります。
3.青森県の中で一番ながいもを多く作っているところはどこですか。
→第一位が東北町です。第二位が三沢市、第三位が十和田市となっています。
平成11年度の統計では、東北町320haで、全国第二位となっています。
4.ながいもの作り方をかんたんに教えてください。
→時期別には、
(1)4月下旬頃
ながいもの種を植える前に、トレンチャーという機械で幅15cm・深さ1m位
に耕します。
(2)5月下旬から6月上旬ころ
種いもを植えます。(5月下旬から6月上旬ころ)
種いもには、むかご・1年子・2年子・切いもなどがあります。
普通の大きないもを作るためには、1年子・2年子・切いもなどを使い、1年子
を作るためにはむかごを使います。
種いもは、良いながいもを作るために大切ですので、形の良いものや病気の
ないものを選んで植えることが必要です。
(3)6月下旬から8月下旬ころ
肥料をまいたり、農薬を散布したり、支柱たてやネットを張ったりします。
(4)11月上旬から12月にかけて
ながいもの収穫をします。
収穫は、翌年の3月から4月にかけても行われます。
5.ながいもはいつ収穫するのですか。
→ながいもの収穫は、11月・12月と3月・4月に行います。
3月・4月に収穫するながいもは、冬の間、畑の土の中で天然貯蔵しておくこと
になります。
北海道の帯広市も多くのながいもを作っていますが、冬には地表から30cm位
まで凍ってしまうことから、土の中での貯蔵ができなく冬になる前にほとんどの
ながいもを収穫してしまいます。(最近は、一部は葉っぱなどをかぶせて土中に
貯蔵する方法をとっているようです)
6.青森県以外にはどこの県でながいもが作られていますか。
→青森県が全国一、次に北海道、長野県、鳥取県、茨城県、岩手県の順となって
います。
7.青森県全体では何本のながいもが取れますか。
→県全体のながいも栽培面積は、約2,700haであることから、10a当たり
4,000本とすると、1億800万本となります。
JA(農協)関係では、平成10年産で1,785haの作付面積で、380万
ケース(10kgダンボール)を販売しました。
8.青森県が日本一のながいも産地となったのはいつからですか。
→昭和49年に、作付面積914ha・生産量2万2,000トンとなり、長野県
を抜いて全国一となりました。今から25年位前に日本一になりました。
昭和37年の全国の生産量では、青森県は全国10位でした。
9.青森県内では、どこで、どの位のながいもが作られていますか。
→青森県を青森地区・弘前地区・五所川原地区・十和田地区・八戸地区に分けて
見ると、全体の70%が十和田地区、八戸地区が24%、五所川原地区が5%、
青森地区が1%となり、弘前地区ではほとんどながいもが作られていません。
青森県内のJA(農協)の取扱い面積を地区別に見ると、平成10年度において
青森地区34ha(1.9%)、弘前地区1ha(-)、五所川原地区78ha(4.4%)、
十和田地区1,167ha(65.4%)、八戸地区505ha(28.3%)の計1,785ha
となっています。
10.ながいもは、なぜ年2回(春と秋)に分けて掘り取りするのですか。
→ながいもは秋になって、葉が枯れてから掘り取りします。
ながいもの収穫時期は、11月・12月と4月・5月に行います。
秋に掘ったながいもは、冷蔵庫に貯蔵して、順番に出して、洗って、選別をして、
ダンボール箱に入れて市場に出荷します。4月・5月に収穫するながいもは、冬
の間、畑の土の中で天然貯蔵しておいても悪くならないことから、そのままで冬
を越して、春に収穫しています。
よって、秋と春の2回に分けて掘り取りしています。
秋掘りは11月から3月までの販売する分の5か月分、春掘りは4月から10月
までの販売する分の7か月分であるので、春掘りが多いことが良いような気が
しますが、3月から4月にかけて雪や雨が降ったり、春のほかの農作業の関係
で農家が忙しいことから、秋と春では半々くらいの収穫をする農家が多いです。
北海道では、冬には地表から30cm位まで凍ってしまうことから、土の中での
貯蔵ができなく冬になる前に、ほとんどのながいもを収穫してしまいますが、
青森県では、ながいもを土の中に貯蔵することができることから、その分貯蔵
する倉庫や電気料が少なくてすむことになり、自然の冷蔵庫を持っていると
いえます。
11.ながいもが多くとれた年と少ない年では、どの位の差がありますか。
→10a当たりの販売収量では、その年によって違いますが、平均すると平年で
1,800kg、豊作の年で2,200kg、不作の年では1,500kg位と
なっています。
もちろん、平年の年であっても2,500kgや3,000kgを取っている生産者も
いますし、1,500kgしかとっていない生産者もいます。
平成5年の米(水稲)が冷害の年は、天候が悪かったことから、ながいもの生育
も悪く、青森県内の平均が1,577kgでしたが、平成7年や9年では2,300kg
になりました。
12.ながいもを栽培する中で、どんな病気や害虫がありますか。
また、病気や害虫を防ぐため、どんなことをしていますか。
→病気では、炭そ病・葉渋病・ウイルス病・根腐れ病・褐色腐敗病などがあります。
害虫では、ヤマノイモコガ・ヤマノイモハムシ・コガネムシ・アブラムシ類など
があります。
病気の炭そ病・葉渋病や害虫は、農薬をかけることによって防除しています。
病気は、葉や茎に症状が出てから農薬を散布しても手遅れとなることから、予防
する意味においても早めに散布することが必要ですが、害虫は出始めたら、早め
に防除するようにしています。
根腐れ病・褐色腐敗病などは、土のなかのながいもが腐る病気で、土壌病害とも
言われています。
土壌病害を防ぐためには、輪作をすること(ながいもを1年植えた後には、何年
かはながいも以外の作物を植えること)。土壌改良資材による防除などがあります。
輪作作物としては、麦類・スイートコーン・イネ科緑肥作物・ねぎ・にんにくなどが
良いとされています。
ながいもの病気や害虫を防止するためには、病気のない種いもを使用すること。
種いもを消毒すること。畑や農業機械をきれいにすること。良質な堆肥を使用す
ることなども大切です。
13.ながいも作りに一番適しているのはどんな土ですか。
→ながいもは、土の中深く伸びるので、耕土が深く、排水が良いことが適している。
上北郡管内の土は、ながいも栽培に適している土が多い。
一般的には、砂土又は火山灰土などの土は形状が良く、平いもが少ないのに対し
て、粘土の多い土では曲がったりしたいもが多い。
14.ながいもは、どのようにして貯蔵(保管)しているのですか。
→秋や春に掘ったながいもは、土が付いたまま、20kg入りのコンテナや500kg
入りスチールコンテナにビニール袋の中に入れて貯蔵します。
ビニール袋を使用するのは、土がついたままのながいもが乾かないようにする
ためです。いったんながいもが乾いてしまうと、洗った時にきれいに土が落ちない
からです。
貯蔵する冷蔵庫内の温度は3℃か4℃にして、ながいもを眠らせた状態にして
貯蔵します。
15.ながいものつるは、どちら巻きですか。
→ながいもを栽培する場合には、昔は1本又は2本を支柱にからめた作り方を
してきましたが、現在はネット栽培が大部分を占めています。
ながいも・いちょういも・つくねいもなどは、つるが伸びていく時に左巻きに生長
していきますが、熱帯地方で栽培されているながいもと親戚の関係にあるブル
ビフェラは、右巻きだと言われています。
茎を正面から見ると、支柱の左下から現れた茎は、右上方で支柱の裏側に
かくれるような巻きかたになります。
16.ながいもを栽培する時に、なぜネットを使っているのですか。
→以前は支柱方式で栽培されていましたが、現在はネット式が多くなっています。
ながいもが形の良い大きいものを生産するためには、ながいもの茎や葉に
太陽の光を十分取り入れた栽培をすることが必要となります。
北海道では、1本の長さ4.5mもの支柱を80cm位埋めて、地上部3.5mに
4本位のながいものつるをからめて栽培していましたが、支柱の値段が高いこ
と、労力が大変であること等から、最近は青森県と同じようにネット式が増えて
います。
17.ながいもの種(1年子)が不足したときは、どうするのですか。
→ながいもの種である1年子が不足した場合は、2年子や市場に出荷するながいも
を切って使用する切りいもなどを使用します。
「1年子」とは、病気のかかっていない「むかご」を1年目にとって、2年目の春に
「むかご」を植えて、秋に出来たものです。
「2年子」とは、翌年の春に「小さい1年子をそのまま」「大きい1年子は小さく
切って」種いもとして植えて、秋にできたものをいいます。
「切いも」とは、「成いも」を使用して、100g位に切って種いもとする方法で、
昔は多かったですが、最近では少なくなっています。
種いもとして使用する場合、1年子・2年子・成いもを切って使用する切いもの
いずれの時も、ウイルス病などの病気にかかったものを使うと、収量が上がら
なかったりすることから、農家は特にウイルス病がかかっていないものを、むか
ごの段階から選ぶことと、ウイルス病防除のために、一般栽培よりも病虫防除
の徹底をしています。
ウイルス病にかかったものを種いもとする場合に問題になることであり、スーパ
ーなどから買って食べる時は、そのながいもがウイルス病かを気にする必要は
ありません。味や人間の病気には関係有りません。
北海道では、青森県に比べて寒いために、むかごが成りにくい傾向にあること
から、種いもは切いもを使用しています。
【品 種】
18.ながいもと同じ仲間にはどんなものがありますか。
→ながいもと同じ仲間には、いちょういも(銀杏いも)・つくねいも(大和いも・
伊勢いも・丹波やまいのいも)などがある。
ヤマノイモ(自然薯・やまいも)と呼ばれているものと、ながいもは別種の
ものである。
19.ながいもは何科の植物ですか。
→ながいもは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物で、温帯・熱帯に750種あると
いわれ、主に熱帯・亜熱帯に多く分布しています。
ながいもは、いもの形から、「ながいも」「いちょういも」「つくねいも」などと呼
ばれています。
ながいもは、青森・長野・北海道・茨城・鳥取などで栽培されています。
いちょういもは、埼玉・千葉・群馬・茨城・神奈川などの関東地方で栽培され、
つくねいもは、兵庫・三重・岡山・京都・奈良などの関西・近畿地方で多く栽培
されています。
また、ながいもは、雌雄異株(雌雄異種、しゆういしゅ)の植物(雄花と雌花は
別の株に着生)で、まれに雌株があると言われているが、ほとんどは雄花を
もった雄株です。
いちょういもやつくねいもは、多くは雌株で、雄株は珍しいとされている。
【悩み・工夫】
20.ながいもを作ってむずかしいことは何ですか。
→本来の形の良いながいもを作ることです。
ながいもは、地中1メートル位まで深く伸びることから、曲がったり、かまぼこ
形になったり、平いもになったりしやすくなります。
野球のバットみたいな形の良いながいもを多く生産するために、良い形や病気
にかかっていない種いもを植えること、土の出来た良い畑を選ぶこと、植え方や
肥料のやる時期などを工夫することが必要です。
21.ながいもを作っていて工夫している点はどこですか。
→良いながいもを作るために、
(1)病気のない、形の良い種いもを使用するようにしています。
病気があったり、形の悪い種いもを使用すると、どんなに良い畑や作り方を
しても良いながいもができないからです。病気の中には、ウイルス病と言っ
て、人間で言うとガンのようなものがありますので、特に良い種いもを使用
することが必要です。
(2)大きなながいもよりも、1本1kg~800g位の大きさのながいもを生産する
ようにしています。
大きなながいもは、スーパーなどで切って売らなければならないことから、
消費者が1本買いできる大きさのものを生産することにしています。
(3)何年も同じ畑に植えると、連作障害が出て良いものができにないことから、
同じ畑には続けて植えないようにしています。
22.出荷する前にくさらない工夫などをしていますか。
→11月や4月に収穫したながいもは、室温4度位の冷蔵庫に保管します。
冷蔵庫に保管(貯蔵)しないと、ながいもから根や芽が出てしまい、1年を通し
て販売できなくなります。
冷蔵庫に入れておくことによって、ながいもを冬眠させているような状態にして
おきます。
23.ながいも作りのなやみは何ですか。
→(1)連作するために、形の良いものが取れなくなったこと。
(2)北海道のながいも栽培が多くなり、日本一の青森県との差が縮まってきたこと。
(3)ながいもを作る人たちの年齢があがり(お年寄りが多くなった)、ながいもなど
の重いやさいを作ることが大変になっていること。
(4)収穫する機械の値段が高いなど、経費が多くかかるようになったこと。
【販 売】
24.ながいもはいつ出荷するのですか。
→青森県のながいもは、1年中出荷しています。
ながいもの収穫は、11月・12月と4月・5月頃に行いますが、収穫したながいも
を冷蔵庫に保管して、出荷する直前に冷蔵庫から出して、水で洗って、選別して、
ダンボール箱につめて全国の市場に向けて出荷します。
25.ながいもの送り先はどこですか。
→青森県のながいもは、大阪や京都地域に35%、東京・名古屋地域にそれぞれ
20%、東北・北海道地域に13%、九州地域に9%位出荷しています。
最近では、アメリカや台湾などにもに出荷しています。
26. 値段の高いながいもはどのようなものですか。
→形が良くて、大きいながいも(4L)が値段が高い傾向にあります。
大きいながいもが多くとれた年は、2L(800gから1000g)が一番高くなることも
あります。
27.一番売れる時期はいつですか。
→7月から9月にかけての暑い時期に消費が多くあります。
暑い夏の食欲のない時期に、とろろにするなどして多く消費されています。
よって、1年の間で一番売れ行きが悪い時期は、一番寒い1月から2月です。
28.ながいもは、なぜオガクズに入れて出荷するのですか。
→青森県のながいもは、ほとんどが全国の市場に出荷されてから、仲卸・スーパー
などを通じて消費者に届いています。
なかいもをそのまま何日も空気に触れさせておくと、ながいもの表面の色が黒く
なってきます。そうすると商品価値が下がってしまうことから、ダンボール箱に
ながいもを入れた後に、オガクズ(木くずとも言います)を入れて出荷します。
昔は、もみがらを入れたり、オガクズに代わるものを試験したりしたことがあり
ましたが、現在のところ、値段やながいもの品質などから見て、オガクズに代わ
るものは見つかっていません。
29.市場(地域)によって、ながいもの価格に差がありますか。
→大阪では大きい(4Lや3L、1本当たり1,200~1,000g)ながいもが値段が
高いのに対して、名古屋では小さ目の(L、1本当たり600から800g)ものの
値段が高い傾向にあります。
これは、大阪では1本を切って売るのに対して、名古屋では1本のまま売るのが
多いことによるものです。
同じ重さのながいもでは、皮をむいた場合には大きいながいものほうが食べる
部分が多いが切って売らなければならないので売る側の手間がかかるに対して、
L・Mクラスの1本ままでは食べる部分が多少少なくなるものの、1本売りでは、
そのまま店先に並べれば良い特徴があります。
1本のまま買うか、切ったものを買うかについては、昔からのその地域の消費者
心理があるものと思われます。
30.スーパーや小売店では、どのような形で売られていますか。
→スーパーや小売店では、1本のまま売っている場合もありますが、ほとんどは
ながいもを切って販売されています。
白いトレーに入れて500g、600g位に切ったものを、ラップに包んで売られて
います。100g当たり48円とか、58円とかで、300円以内位です。
31.ながいもを市場に出荷する場合の形はどのようになっていますか。
→ながいもは、10kg入りのダンボール箱に入れて出荷しています。
ながいも10kgにオガクズ(木くず)4kg位を入れて、透明のビニール袋に包んだ
ものをダンボール箱に入れて出荷します。
32.ながいもは、どのような規格で出荷していますか。
→等級は、A品・B品・C品・D品・A平品・B平品など。
階級は、4L・3L・2L・L・M・S・2Sなどですので、A4Lとか、BL・A平4L・C2L
などの区分になります。
市場に出荷したながいもは、各都市の中央卸売市場を通じて、スーパーや小売店
に販売されていますが、特にスーパーなどからは、同じ等階級ではどの箱を開けて
みても、同じ品物のものが入っている(選別が揃っている)ことが要求されています。
【輸入・輸出】
33.青森県のながいもは外国に輸出されていますか。
→台湾やアメリカに輸出しています。
アメリカでは、日系アメリカ人が食べているようです。
台湾では、ながいもは「山薬」と言われ、古くから薬用として、乾燥したものを
煎じたり、粉にして飲むなどして、主に胃や内臓の強壮剤として使用されている。
青森県のながいもは、台湾や中国のものに比べて、品質が良く、大きく、肌が
白いことから人気があり、大きなながいもほど値段が高く売られている。
台湾では、ほとんどが加熱処理による調理方法で、日本のような生食の習慣は
ない。
34.どこの国からながいもが輸入されていますか。
→日本に輸入されているながいものほとんどは中国からです。
平成10年度で2,530トンで、中国91%、ベトナム7%、韓国1%となっています。
【栄養・色・かゆみ】
35.ながいもには、どんな栄養分がふくまれていますか。
→100g当たり、水分82.6%、たんぱく質2.2%、脂質0.4%、炭水化物13.8%、
灰分1.0%。そのほかには、カルシウム・リン・鉄・カリウムなどが含まれています。
また、ながいもには、アミラーゼといわれるでんぷんを分解する酵素が多くふくまれ
ているので、生で食べても大変消化が良く、ごはんにかけて食べると、ごはんの
消化を助ける働きをします。
36.ながいもをすった時に黒くなるのはなぜですか。
→すったながいもが黒くなるのは、ながいもの中に含まれているポリフェノール系
物質ドーパミン(アク成分)が酸化するためといわれています。
ポリフェノール系物質のドーパミンは、呼吸作用の代謝産物として蓄積するといわ
れ、先端部分などの細胞の活発な部分に多く分布していて、特に細胞分裂が盛
んな7月から8月上旬の新いもには多く含まれ、アクが強く、切った物はすぐに
変色する。切ったらすぐに酢水につけると、酸化されずに美しい白い色が保てる。
ある調査によると、ポリフェノール含量は、いも先端部では7月から8月上旬に
は10~12mg/100g、8月中旬から11月下旬までは4mg/100gである
のに対して、いも中央部は7月下旬以降3~4mgと一定している。
ながいもが黒くなるのが問題となるのは、新しいながいもが出始める11月ころ
です。10月ころにながいもの値段が高いと、葉が枯れなくて、まだ若いながい
もを収穫して出荷する人があり、苦情がよせられることがあります。
JA(農協)では、このようなことがないように収穫する日を決めています。
年によって違いますが、だいたい11月5日から10日ころからながいもの収穫
をするようにしています。
37.ながいもにさわると、かゆくなるのはなぜですか。
→高たんぱく質と多糖類のくっついたながいもの成分が、人間の皮膚のうすい毛穴
などに入って反応をおこすことによって、かゆみを感じるといわれています。
ながいもの成分そのものが、かゆみをおこすわけではなく、ながいもの成分と皮
膚(ひふ)の弱い体質とがあって、はじめてかゆくなるものです。このようになる
ことを[アレルギー]といっています。
ながいもだけでなく、ワカメのメカブや、オクラ・ジュンサイを食べて、かゆみを
感じる人がいますが、それも同じことです。
38.ながいもは、なぜ、ねばねばするのですか。
→ながいものねばねばの成分は、グロブリンのようなたんぱく質に、マンナンという
成分が結び合ってできているそうです。
ながいものねばねばの成分は、分かりましたが、ながいもがなぜねばねばして
いるかについては、分かりませんでした。
植物の実は、最初は緑色ですが、秋になって赤くなるのは、鳥に食べてもらって、
遠くまで種を運んで子孫を増やしてもらうためだそうです。緑色の時はおいしく
ないよ。種が熟してくると赤くなっておいしいようにみせかけるのだそうです。
ながいものねばねばも何か理由があると思いますが分かりません。
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